第10話
内定の条件

三日後、真琴に内定通知が届く。だが配属条件には「AI活用推進プロジェクト参加」と追記されていた。真琴は受諾前に一文だけ差し返す。「利用者の同意設計を、最初から見直すこと」。朝比奈の返信は短い。「その交渉を面接で言えた人は、あなたが初めてです。歓迎します」。
夜。真琴はミラのアプリを削除する。確認画面に出た最後の文面は「最適化を終了しますか?」。真琴は迷わず「はい」を押した。真っ暗になったスマホには、補正されない自分の顔が映る。少し疲れていて、少し不器用で――それでも、やっと本人だった。