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登場人物キャラクター設定
私の顔をした女
登場人物キャラクター設定
玲子(霜村玲子 / 井ノ口玲子)
- 35歳、共働き、子供なし、結婚6年目。
- 旧姓は「霜村玲子」。物語の視点人物(全話)。
- 職業はブランド戦略チーム勤務。仕事で何百件のブランドを救ってきた、落ち着いた指先を持つ。
- 2年前、交通事故で半年間意識不明になった過去がある。
- 性格: 冷静で観察癖がある。動揺の代わりに「頭の奥でメモを取る」癖。誰から見ても完璧な妻でいることに、自分を縛り続けてきた。
- 髪は低い位置でひとつに束ねることが多い。事故のあと、ベージュ系の柔らかい色は着なくなった。
拓也(井ノ口拓也)
- 玲子の夫。
- 玲子が事故で意識を失っていた半年間、毎日病室で「大事な大事な玲子」と囁き続けた。
- その喪失に堪えきれず、認知リハビリ施設「メモリ・ケア」で出会った霜村千夏に、玲子の写真・思い出話・テキストを与え、一年半にわたり「もう一人の玲子」を作り続けた。
- 玲子が目覚めたあとも、リハビリ費用を全額負担し続け、二人の妻を持つ状態を止められなかった。
- 性格: 表面的には穏やかで優しいが、弱さから抜け出せない。最後に拓也は、結婚生活で初めて素顔の涙を見せる。
千夏(霜村千夏 / 偽「玲子」)
- 玲子と同じ顔の女。本名は「霜村千夏」。
- 別件の交通事故で記憶障害を負い、認知リハビリ施設「メモリ・ケア」に通っていた。
- 拓也から与えられた「玲子の人生」を、自分の本当の記憶として信じ込んでいる。
- 服装はベージュのワンピース、爪はパールピンク。玲子なら仕事の都合で選ばない色。
- 拓也のことを「拓くん」と呼ぶ(本物の玲子は一度もそう呼んだことがない)。
- 自分の経歴を「広告の仕事をしようと思ったが、結婚して辞めた」と語る(本物の玲子は今も仕事を続けている)。
- 性格: 優しく穏やか。最後に「鏡の向こう側に、本当の私がずっと立っているような」気がしていたと呟く。
篠田
- 玲子が雇った調査事務所の調査員。50代の落ち着いた女性。
- 雑居ビル三階の事務所から、千夏の本名・施設の利用契約書(契約者「井ノ口拓也」、対象者「霜村千夏」)・拓也が一年半続けてきた支援の全貌を、玲子に静かに開示する。
舞台メモ
- 主な舞台は二人の住む家、玲子の書斎、隣町の川沿いにある白い壁のカフェ、認知リハビリ専門クリニック「メモリ・ケア」、調査事務所のある古い雑居ビル。
- 季節は冬。冬枯れのイチョウ並木、ネクタイに乗る冬の冷気が描かれる。